Lily 白き百合の乙女たち

物語・世界観

ストーリー

東北地方最大の都市・仙台市。

かつてこの街の港に隕石が飛来、落下するという事件が起きた。
幸い隕石による人的な被害は皆無だったものの、それ以来近辺から「黒閖(くろゆり)」と呼ばれる醜い姿の生物が出現するようになった。

また、隕石衝突以降に産まれた子どもの一部に不思議な能力が宿るという現象も起きていた。
超常的な能力を持つ少女たちの能力による攻撃は黒閖に対し有効なダメージを与え、根本駆除出来る事がわかった。
能力を持つ少女たちは体のどこかに百合の花弁のような痣ができることから「リリー」と呼ばれ、彼女たちを育成するための小中高一貫の学校、「ホワイトリリー学園」が作られた。

そして隕石衝突から20数年の時が流れた2034年。

ホワイトリリー学園に通う中学2年生、「青葉 百合果」は通学中に不思議な出会いをする。
そしてその出会いは、リリーの名の下に集う少女たちを戦いの渦へと巻き込んでいった……。

舞台

仙台市

物語の舞台となる街。

かつて伊達政宗により整備され現在に至る東北地方最大の都市。
隕石や黒閖による外部への影響が未知数のため、隔離され一般人の往来は出来ない。
その一方で黒閖は脅威ではあるものの積極的に襲ってくるわけではないと言う事もあり、住民はそこまで悲観しているという事はなく、隕石衝突の当初こそやや混乱はあったものの今では殆ど以前と変わらず栄えている。

中心市街地は非常に近代的に発展しているが、同時に自然が豊かでもあり杜の都の別名を持つ。
しかし実はこの地には極めて強い呪力が込められており、一部ではとある理由から「星の街」という異名で呼ぶ者たちも居た。

ホワイトリリー学園

黒閖に対抗するためのリリー育成に特化した小中高一貫の学園。
元々この地にあったミッションスクールをベースに設立されたため、その影響が色濃く残っている。

リリー育成のためとはいえ、普段は普通の学校と同じような授業を行いその中に少々の訓練がある。 生徒は全員がリリー能力者だが、全員が黒閖と対等に戦えるほど強いわけではなく、ほとんどの生徒は実践ではあまり戦力にはならないのが現実の所。
それでもリリーは黒閖に対抗出来る唯一の手段であるため、ホワイトリリー学園の生徒は国や自治体によって手厚く扱われ、学園環境も非常に高い水準で維持されている。

用語解説

隕石

本編の20数年前に仙台港に飛来した直径5mほどの物体。
地表にごく接近するまで各国の機関によるレーダーにも捉えられず、追撃や避難指示も出せぬ間に激突した。

奇跡的に人的な被害は皆無だったものの、それ以降隕石の周辺からは黒閖と呼ばれる謎の生物が出現するようになってしまった。 また、同時に特異な能力を持つ人間(リリー)も産まれるようになった。

直後には隕石の調査等も度々行われていたが、隕石周辺は黒閖が多く出現し、それ以外にも調査員が奇妙な事故に巻き込まれることが多く調査は難航。 極めて硬く欠片を採取することも出来ず、計器も異常な数値を示す等、周囲では不思議な現象が多発した。
後の解析により、この隕石は後に地表に激突する直前に急激に減速する軌道を取っていた事が分かり、それによって地上の被害は比較的小さかったと言う事が判明した。

黒閖

隕石衝突以来、どこからともなく出現するようになった謎の生物。
いくつかの形態が確認されているが、何れも黒ずんだ黄土色の体をしていて表面はドロドロに溶けている醜悪な姿をしている。

見た目に反して動きは素早く、力も非常に強い。生身の人間が襲われてしまうとひとたまりもない。そして極めて耐性も高く、通常の兵器などでは動きを止めるのが精一杯であり、全くダメージを与える事が出来ない。 リリーによる攻撃でのみ有効なダメージを与えることが出来、根本駆除がすることが出来る。

出現する頻度はそこまで多くなく、人口の多い場所にいきなり現れることもまず無い。
出現場所についてはよく分かっていないが、隕石の墜落地点周辺で特に多い以外では、山中や海の近く等の人気が少ない所で多く見られる。

リリー

隔離された仙台で産まれるようになった能力者の総称。
毎年80名前後のリリーが産まれる。能力が出現するのは女のみ。

個人により差はあるが、概ね5~10歳の頃に体の何処かに百合の花弁のような痣が出来る。強い能力を持つほどはっきりとした痣になり、それと同時に様々な能力が出現する。

この能力は何か一つの特化したものであることが多い(例えば火を操る能力、水を操る能力のように)。また、身体能力もある程度高くなる。 空を飛ぶ等の普通の人間に出来ないことは基本的に出来ないが、身体の能力が上昇しているのでかなりの距離をジャンプしたりは可能。

フルール・ド・リス

ホワイトリリー学園のリリーのうち、緊急時に最前線で戦える精鋭を集めた特殊部隊。 黒閖が出没した際には基本的にここに所属しているメンバーが出動する。

「青葉 百合果」、「宮城野 かえで」、「泉 雫」の3人が所属していて、百合果たちの先生でもある「広瀬 けやき」が隊長を務めている。
ただ、雫は百合果とかえでを認めていないので普段は単独行動をしている。

黒閖大災害

本編の8年前に起きた事件。

凄まじい量の黒閖が隕石周辺に出現。市街地へ向けて進行しているという。
その数は推定で1000体を超えるとされ、ホワイトリリー学園に在籍する全てのリリーを合わせても及ばないほどの数だった。

この事態に、学園の全てのリリーに対し出撃命令が下った。これには殆ど戦闘訓練を受けていない初等部1年生のリリーも含まれていた。
全員が現場に到着し戦闘を開始しようかという時、突如黒閖を中心として大爆発が起こる。
爆発は凄まじく、黒閖を全て消し去る程の威力だったが、至近距離まで近づいていたリリーたちも巻き込まれてしまい全滅する。

この時生き残ったリリーは、たまたま遅刻して現場に居なかった「広瀬 けやき」ただ一人だった。
彼女は後にホワイトリリー学園の教師を務める事になる。